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【第3回】香港編-国際癌病康復協会理事が各国のがん専門医師と対談-

【連載第3回 香港編】 香港大学中医薬学院准教授・中医学博士:施祖榮医師との対談

【第3回 香港編】として、香港大学中医薬学院准教授・中医学博士:施祖榮医師との対談を紹介します。

  • 【連載にあたって】序文と推薦者の言葉(⇒内容を読む)

    【序文】国際癌病康復協会理事 陳海威

    がん治療のもう一つの可能性として注目される漢方療法の展望

    【推薦の言葉】アメリカがんコントロール協会会長 フランク・コウジノウ

    がん治療における代替医療の重要性と漢方がん治療の占める位置

  • 【第1回】日本編(⇒内容を読む)

    【帯津良一 帯津三敬病院名誉院長・医学博士】

    身体、心、生命の人間丸ごと診るホリスティック医学を推進

    【阿部博幸 九段クリニック名誉院長・医学博士】

    標準治療の壁を打ち破ると期待される漢方がん治療

  • 【第2回】アメリカ編(⇒内容を読む)

    【Joyce O'Shaughnessy アメリカ内科医学会内科腫瘍専門認定医】

    西洋医学と東洋医学の融合による受益者は患者、医師、そして医学界

  • 【第3回】香港編(⇒内容を読む)

    【施祖榮 香港大学中医薬学院准教授・中医学博士】

    漢方薬の天仙液に関する研究試験で大腸がんに対する抗腫瘍作用を検証

  • 【第4回】台湾編(⇒内容を読む)

    【王萬波 台湾大学医学院微生物学科教授】

    中薬「天仙液」の基礎理論研究と実験によって得た抗がん作用

  • 【第5回】タイ編(⇒内容を読む)

    【Jakkriss Bhumisawasdi タイ保健省公共衛生部公衆衛生課総督察長】

    「タイ医学と代替医学部門」の目的は中西医統合によるがん治療

施祖榮 香港大学中医薬学院准教授・中医学博士

香港大学中医薬学院実験室主任、同研究員、研究准教授を経て、現在、香港大学中医薬学院准教授、香港浸会大学応用生物学名誉理学士、香港中文大学生物医学哲学博士、中国薬科大学中薬理学学士。漢方薬の天仙液に関する研究試験で抗腫瘍作用を検証する。

漢方薬の天仙液に関する研究試験で大腸がんに対する抗腫瘍作用を検証

陳:施先生は西洋医学の教育を受けてきた研究員でいらっしゃいますが、なぜ漢方に関する研究を選んだのでしょうか。
施:大学博士号の研究の時から、主に応用生物学と天然薬物化学の高分子タンパク薬を専攻していました。高分子薬物の安定性は低分子薬物に及ばないけれど、高分子薬物がもつ組織特異性薬理は低分子より強いので、今後大きな発展が期待できると思ったのです。
また、当時まだ若いから難しい学科に挑戦したがる気持ちで選びました。卒業後、ちょうど香港政府は香港を世界の「中薬(漢方)港」にする政策があったので、幾つかの主な大学で中医薬学院と、研究室を設立しはじめたのです。漢方は我が国の伝統医学とも思っていたので、漢方の研究を選びました。当時、香港ではSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行っていて、その疾病に漢方がとてもよい治癒作用があったと実証されてから、世界中から漢方の研究が注目されたのです。
陳:なぜ香港政府(香港特別行政区政府)が「中薬(漢方)港」の政策を定めたのでしょうか。
施:漢方は代謝症候群、がんなどの病気に対して、西洋医学では未だに画期的な展開がないことから、漢方がその不足を補うことができると認識して、香港政府は明確に「中薬(漢方)港」政策を定めたそうです。もちろん漢方はとてもよい伝統医学であるほか、香港は西洋医療でもほかの地域より優位に立てるので、漢方のスタンダードモード(基準)作りとして、世界で最もよい条件が揃っている場所です。
陳:2008年のことですが、なぜ香港大学中医薬学院が漢方薬の天仙液の基礎試験を引き受けたのでしょうか。
施:2008年のことですが、なぜ香港大学中医薬学院が漢方薬の天仙液の基礎試験を引き受けたのでしょうか。
陳:天仙液の基礎試験研究は、どのような基準と方法で行ったのでしょうか。
施:臨床試験の前、どんな漢方にしても品質管理、重金属測定、薬理試験研究の三つの不可欠な研究が必須であり、もちろん天仙液も例外ではありません。
a. 品質管理:数個のサンプルを集め、同時に重要な化学標識を選び、フィンガープリントで照合したところ、天仙液は確かに薬典で記載されている抗がん成分を有していることを実証した。
b. 重金属測定:漢方がよく指摘されているところは、重金属含有量の過量である。重金属の過剰摂取により身体に危害を加えることになるけれど、天仙液の重金属含有量を繰り返して測定したところ、すべて政府の基準値にクリアしていた。
C. 細胞と動物薬理試験:がん細胞の新生抑制、転移抑制能力、耐薬性の三つの作用を研究したところ、細胞株試験と動物試験の結果は一致した。
天仙液が上記三つの試験で実証されたことから、我々の研究チームが世界にその研究論文『天仙液の抗大腸がん細胞の相乗効果に関する臨床及び前臨床試験』を発表したのです。

陳:施先生はなぜ、天仙液による大腸がんの細胞株の試験を選んだのでしょうか。
施:世界中の先進国の人々は、運動不足と肥満が原因で大腸がんに罹り、その罹患率の順位は1位か2位となっており、香港も例外ではありませんでした。そのため、天仙液は乳がんのヒト臨床試験などはほかの研究機関で行っているので、私たちのチームは大腸がんに関する研究を決めたのです。当初の研究の選択を振り返えてみると、やはり間違いはなかった。なぜならば、香港政府も2013年に、香港のがん罹患率の1位が大腸がんになったと発表されたのです。
陳:天仙液の試験研究の過程の中、一番印象深いものとはどのようなことでしたか。
施:天仙液は大腸がん細胞株の増殖を抑制できるほか、一番印象深かったのは二つあります。一つ目は、耐薬性です。一般の患者さんは数回の抗がん剤治療を受けたあと、身体が自然と薬物に対する耐薬性が生じてしまう。しかし、動物薬理試験では天仙液は投与薬に対する耐薬性を軽減することができる、つまり言い換えれば、天仙液は抗がん剤の治療効果を高めることができると実証できたのです。
天仙液は大腸がん細胞株の増殖を抑制できるほか、一番印象深かったのは二つあります。一つ目は、耐薬性です。一般の患者さんは数回の抗がん剤治療を受けたあと、身体が自然と薬物に対する耐薬性が生じてしまう。しかし、動物薬理試験では天仙液は投与薬に対する耐薬性を軽減することができる、つまり言い換えれば、天仙液は抗がん剤の治療効果を高めることができると実証できたのです。
  • 【連載にあたって】序文と推薦者の言葉(⇒内容を読む)

    【序文】国際癌病康復協会理事 陳海威

    がん治療のもう一つの可能性として注目される漢方療法の展望

    【推薦の言葉】アメリカがんコントロール協会会長 フランク・コウジノウ

    がん治療における代替医療の重要性と漢方がん治療の占める位置

  • 【第1回】日本編(⇒内容を読む)

    【帯津良一 帯津三敬病院名誉院長・医学博士】

    身体、心、生命の人間丸ごと診るホリスティック医学を推進

    【阿部博幸 九段クリニック名誉院長・医学博士】

    標準治療の壁を打ち破ると期待される漢方がん治療

  • 【第2回】アメリカ編(⇒内容を読む)

    【Joyce O'Shaughnessy アメリカ内科医学会内科腫瘍専門認定医】

    西洋医学と東洋医学の融合による受益者は患者、医師、そして医学界

  • 【第3回】香港編(⇒内容を読む)

    【施祖榮 香港大学中医薬学院准教授・中医学博士】

    漢方薬の天仙液に関する研究試験で大腸がんに対する抗腫瘍作用を検証

  • 【第4回】台湾編(⇒内容を読む)

    【王萬波 台湾大学医学院微生物学科教授】

    中薬「天仙液」の基礎理論研究と実験によって得た抗がん作用

  • 【第5回】タイ編(⇒内容を読む)

    【Jakkriss Bhumisawasdi タイ保健省公共衛生部公衆衛生課総督察長】

    「タイ医学と代替医学部門」の目的は中西医統合によるがん治療