再発と転移について
前立腺がんの再発と初期症状、再発・転移の予防と治療方法
前立腺がんの再発とは
前立腺がんは病気の経過を「病期」として評価します。病期はA~Dに分かれていますが、前立腺がんの非再発率は、最初にがんと診断された時の病期によって異なります。A~B期では5年非再発率は90%程度で、再発の可能性は非常に低いようです。ところがC期では、60%、D期では5%と病状が進むにつれて、再発のリスクが高まってしまいます。どのがんにも共通することですが、早期発見、早期治療がとても重要であると言えるでしょう。
前立腺がんの場合、再発は触診や画像診断等で発見される「臨床的再発」と、PSA値の上昇で判断される「生化学的再発」のふたつがあります。PSAとは前立腺がんが生産するタンパク分解酵素のことで、腫瘍マーカー検査を実施することで血中の値を確認することができます。
前立腺がんの転移とは
前立腺がんの場合、再発は触診や画像診断等で発見される「臨床的再発」と、PSA値の上昇で判断される「生化学的再発」のふたつがあります。PSAとは前立腺がんが生産するタンパク分解酵素のことで、腫瘍マーカー検査を実施することで血中の値を確認することができます。
骨の中でも転移しやすい部位としては、大腿骨や骨盤、腰椎などが挙げられます。前立腺がんの転移が疑われるケースでは「骨シンチグラフィ」という画像検査を行います。骨への転移については適切に治療を行わないと、場合によっては半身不随を引き起こすこともあるため注意が必要です。
前立腺がんが再発したときの初期症状
前立腺がんが再発した際の初期症状としては下記のようなものがあります。
・尿のキレが悪いなどの排尿障害
・残尿感がある
・排尿の回数が増える
・血尿が出る
・失禁をしてしまう
・腰痛
・座骨神経痛
・下肢のむくみ
・下腹部の不快感
前立腺がんの症状には排尿に関わるものが多いのですが、前立腺に出来た腫瘍が尿道を圧迫されることで生じるものです。なお前立腺がんと同様の症状が出る疾患に「前立腺肥大症」というものがあります。中には、前立腺がんを前立腺肥大症であると思い込む患者もいるようです。しかし、これら二つの疾患は全く別のものであり、治療法も異なります。疑わしき症状が現れたときは自己判断せず、すぐに検査を受けるようにしましょう。
前立腺がんの再発・転移予防
前立腺がんの再発・転移の予防には、食生活を改善することが有効とされています。動物性の脂肪や乳製品の摂取を控えることが大切です。前立腺がんはもともと欧米人に多く、日本人には少なかったのですが、食生活が欧米化したことで日本人の罹患者が増えているようです。
また、野菜や魚、大豆などを日常的に摂取することで前立腺がんの再発・転移のリスクが軽減すると言われています。特に大豆に含まれる「大豆イソフラボン」という成分が良いとされています。大豆イソフラボンは女性ホルモンと同様の働きをすることでよく知られていますが、前立腺がんは男性ホルモンを栄養にして増殖するため、がん細胞の増加抑制に効果があるのではないかと言われているのです。
その他、喫煙や不規則な生活習慣を改めることも大切ですし、適度な運動が再発・転移の予防に有効であるとも言われています。また、前立腺がんの治療後は定期的にPSA検査を実施することも大切です。
前立腺がんの再発・転移が見つかったときの治療法
前立腺がんの転移について完治を望むのは難しいと言われています。治療法としては主に内分泌治療を行います。前立腺がんは増殖の際に男性ホルモンを栄養源とします。そのため、男性ホルモンをコントロールすることでがんを抑え込むことが出来るのです。ほとんどの男性ホルモンは精巣で作られているため、手術によって切除する方法と、注射や内服薬によって男性ホルモンの分泌を抑える方法があります。内分泌療法は非常に効果の高い治療法であり、ほとんどの場合で前立腺がんとその転移巣は縮小します。
前立腺がんの転移について完治を望むのは難しいと言われています。治療法としては主に内分泌治療を行います。前立腺がんは増殖の際に男性ホルモンを栄養源とします。そのため、男性ホルモンをコントロールすることでがんを抑え込むことが出来るのです。ほとんどの男性ホルモンは精巣で作られているため、手術によって切除する方法と、注射や内服薬によって男性ホルモンの分泌を抑える方法があります。内分泌療法は非常に効果の高い治療法であり、ほとんどの場合で前立腺がんとその転移巣は縮小します。
前立腺がんは他の臓器などに転移した際は、手術による外科療法を用いることはほとんどありません。主に抗がん剤による化学療法か放射線治療を行うことになります。骨に転移した場合は別途、骨転移の進行を抑制する薬剤を用いることがあります。また、骨の転移には痛みを伴うことが多く、ステロイド剤や鎮痛剤を適宜使用します。