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マッサージ療法

一般的ながんの治療、放射線治療や抗がん剤治療の効果を補い、それらの治療の代わりに行う治療を「補完代替療法」といいます。漢方で自然治癒力を高める以外に、鍼・灸、マッサージ療法といったものが挙げられます。マッサージは誰でもできる程度のものから、専門家が行うものまで幅広くあります。

マッサージ療法については考え方が大きく二つに分かれます。ひとつは、マッサージを行うことによる血行の改善や、リンパを刺激することでがんの症状や副作用が軽減するという考え方です。もうひとつは、刺激や血行の改善などにより、がんの増殖する力を強めるのではないかという考え方です。

マッサージ療法はオイルや薬用エッセンスをプラスして、経路に沿って行います。体内の毒素を解かし、リンパから腎臓、外へと排出する効果を期待するものです。マッサージ療法ががん患者に良い影響を与えているという報告も行われています。アメリカでは「抗腫瘍マッサージ」の訓練を受けた専門の資格をもった療法士がいます。疼痛(痛み)や抑うつのあるがん患者を対象に行った研究では、気分の改善や疼痛の軽減に対して効果があったという結果が出ています。また、3週間後には症状の変化がないため、マッサージによる改善は一時的なのとも考えられます。持続的な変化はなかったものの、継続して行うことで、一定の効果を期待することができます。

マッサージによってがん細胞が死滅するわけではありませんが、患者の痛みや抑うつ状態、気分の改善するため、がんによって引き起こされるさまざま症状の緩和につながるという評価がされています。マッサージのみでがんが完治するわけではないので注意が必要です。

また、マッサージ療法でよく行うのが「リンパマッサージ」です。リンパの流れを良くすることで免疫機能が向上するという考え方によるものです。乳がんの脇下リンパ切除後の腕の浮腫(むくみ)改善のために行われることもあります。リンパ液の流れの改善ががん細胞増殖につながるのではという不安もあるかと思います。基本的には、少々のマッサージでは、直接的にがんの悪化につながることはないというのが現在の医学の考え方のようです。

がんの状態そのものが良くなる、悪くなるということは無いようですが、マッサージによる痛みの軽減や気分が楽になるのであれば、手術や、抗がん剤治療などの治療に加えてマッサージ療法を受けるというのもひとつの方法です。

実際にマッサージ療法を受けるときには主治医(担当医)に相談して了解をとることをおすすめします。

監修:孫 苓献

広州中医薬大学中医学(漢方医学)博士・アメリカ自然医学会(ANMA)自然医学医師・台湾大学萬華医院統合医療センター顧問医師