腰や背中の痛み ―症状から考えられる主な原因と、早期受診の大切さ―

王振国医師の中医学による内科診療
腰や背中の痛みは、整形外科の病気だけでなく、内臓の病気など、さまざまな原因によって起こります。痛みの現れ方や、ほかに伴う症状によって、考えられる病気が異なります。
年齢や症状から考えられる原因
中高年の方に慢性的な腰痛や背中の痛みがあり、外傷、特定の姿勢、体の冷えなどで悪化する場合があります。特に、長く休んだあとや関節を動かしていないとき、夜間や明け方に痛みが強くなる場合は、加齢による背骨の変形などが考えられます。
一方、20~40歳くらいの方で、雨の日や寒い日に腰や背中の痛みが強くなり、微熱、疲労感、体重減少、筋肉の衰え、指の腫れや変形などを伴う場合は、炎症性の関節疾患が疑われます。
腰椎椎間板ヘルニアの可能性
重い物を運ぶ、持ち上げる、腰を曲げて水などを持ち上げる、肩に重い物を担ぐといった作業中に腰をひねり、突然腰が痛くなることがあります。
腰痛と同時に、片側のお尻から脚にかけて裂けるような強い痛みが現れ、せき、くしゃみ、腹部に力を入れたときに悪化する場合は、腰椎椎間板ヘルニアの可能性があります。横になると痛みが軽くなる一方、腰が曲がったままになり、後ろへ反らしにくくなることもあります。
急性・慢性の腰筋の損傷
腰を曲げ、股関節を曲げた状態で膝を伸ばし、重い物を持ち上げたときに、片側または両側の腰の筋肉へ突然激しい痛みが生じることがあります。
押すと痛む、筋肉がけいれんする、反射的に脚まで痛むといった症状を伴う場合は、急性の腰部筋肉損傷、いわゆる「ぎっくり腰」などが考えられます。
急性の腰痛が十分に改善しないまま長引くと、腰の筋肉周辺に断続的または持続的な鈍い痛みが残ることがあります。疲れると悪化し、休むと軽くなるものの、数か月から数年続く場合は、慢性的な腰部の筋肉疲労や損傷が考えられます。
腎臓や前立腺の病気による痛み
腰に突然、波のある激しい痛みが現れ、発熱感、食欲低下、吐き気、嘔吐、尿量の減少などを伴う場合があります。さらに、腎臓のある腰の部分を軽くたたくと強く痛む場合は、腎結石などが疑われます。
また、腰の鈍い痛みに加えて、会陰部の不快感、尿道の灼熱感、頻尿、不眠などがある場合は、慢性前立腺炎の可能性があります。
女性の場合に考えられる原因
女性で、腰から仙骨付近に痛みがあり、下腹部が重く感じる、押すと痛む、おりものが増える、または悪臭を伴う場合は、骨盤内炎症性疾患などが考えられます。この場合、腰そのものは比較的自由に動かせることがあります。
腰や背中の痛みを放置しないことが大切
腰や背中の痛みが軽いうちは、「そのうち治るだろう」と放置してしまいがちです。しかし、痛みが強くなり、耐えられなくなってから受診すると、治療が難しくなる場合があります。
健康を守り、より良い治療効果を得るためにも、腰や背中の痛みは早めに原因を調べ、適切な治療を受けることが大切です。
ご注意 この記事は2016年掲載の一般的な解説です。症状だけで病気を判断することはできません。強い痛み、発熱、脚のしびれ・麻痺、排尿障害などがある場合は、早めに医療機関を受診してください。
※本記事は、北京振国医院「中医王振国—内科診治:腰背痛」(原文はこちら)を参考に翻訳・編集したものです。版権所有 © 振国医療集団/記載の情報は参考用であり、診断および医療の根拠とすることはできません。受診の際は医師の指示に従ってください。
ご検討の第一歩として、ぜひご利用ください。
▼この記事の監修者
安斎 昭
- 一般社団法人 漢方ドットコム 代表
- 国際癌病康復協会 日本支部代表
- 医療ジャーナリスト
医療ジャーナリストとして20年以上活動し、がん治療と漢方医学に精通。王振国医師のがん撲滅活動に共感し、日本支部の立ち上げ時から参画してきた。現在は一般社団法人漢方ドットコムの代表として、がん経験者や漢方治療に関心のある人に向け、全国で勉強会・セミナーを開催し、中医学・漢方に関する情報をWEBなどで発信している。