注意したい「がんの前段階・初期のサイン」12項目

がんの前段階となりうる病変や、早期発見の手がかりとなる症状には、さまざまなものがあります。ここでは、王振国氏が解説する、注意しておきたい12項目を紹介します。
これらの症状があるからといって、必ずがんになるわけではありません。ただし、気になる症状がある場合は、放置せずに早めに医療機関を受診し、詳しく検査を受けることが大切です。
1.乳がん:乳腺の異型過形成
一般的な乳腺症が、必ずがんになるわけではありません。ただし、乳管の細胞が著しく増殖している場合や、異型過形成(正常とは異なる細胞の増殖)が見られる場合は、乳がんの前段階である可能性があります。
乳房にしこりを見つけたら、早めに医療機関を受診し、原因を詳しく調べることが大切です。
2.肝がん:肝硬変
肝硬変は、肝がんの発症リスクを高める病気です。肝臓の病気は、一般に「肝炎→肝硬変→肝がん」という経過をたどる場合があります。
肝硬変と診断されている人は、適切な治療を受けるとともに、定期的に検査を受ける必要があります。
3.胃がん:慢性萎縮性胃炎
慢性萎縮性胃炎は、胃がんにつながる可能性のある病気の一つです。ただし、慢性胃炎になったからといって、必ず胃がんになるわけではありません。
胃がんがあるかどうかを詳しく確認するには、胃内視鏡検査が必要です。
4・5.腎がん・膀胱がん:痛みを伴わない血尿
痛みのない血尿は、腎がんや膀胱がんの初期症状として現れることがあります。まれに、前立腺がんで見られる場合もあります。
血尿の量が少ない、痛みがない、一度しか出ていないという場合でも、放置せず、早めに泌尿器科などで検査を受けましょう。
6.子宮頸がん:子宮頸部の異常
原文では、ウイルスが原因となる「子宮頸部びらん」が、子宮頸がんの前段階である可能性があると説明されています。
ただし、「子宮頸部びらん」は子宮頸部が赤く見える状態を表す言葉であり、それ自体が病気とは限りません。子宮頸がんや前がん病変の有無を確認するには、子宮頸がん検診やHPV検査が重要です。
7.悪性リンパ腫:痛みのないリンパ節の腫れ
悪性リンパ腫では、首、わきの下、足の付け根などのリンパ節が腫れることがあります。
一つまたは複数の場所に、硬くて痛みのない腫れが続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
8.肺がん:肺結節
肺結節とは、CTなどで肺に見つかる小さな影のことです。その多くは炎症などによる良性のものですが、一部は肺がんや、その前段階である可能性があります。
肺結節が見つかっても必要以上に怖がることはありませんが、放置せず、医師の判断に従って経過観察や詳しい検査を受けることが大切です。
9.大腸がん:腺腫性ポリープ
大腸ポリープにはさまざまな種類があり、そのすべてががんになるわけではありません。ただし、腺腫性ポリープは大腸がんにつながる可能性があるため、医師の判断により切除が勧められることがあります。
ポリープが見つかった人は、定期的に大腸内視鏡検査を受けることが重要です。
10.皮膚がん:痛みのない皮膚の角化
顔や手の甲などに、円形の発疹のような変化、盛り上がり、褐色や黒色のかさぶたなどが現れ、なかなか治らない場合は注意が必要です。
痛みがなくても変化が続く場合は、皮膚科で診てもらいましょう。
11.悪性黒色腫(メラノーマ):ほくろの変化
一部のほくろは、繰り返し強い刺激を受けることで変化する可能性があります。ただし、実際に悪性黒色腫になるケースは多くありません。
ほくろを針でつつく、薬品で焼く、自分で不完全に除去するといった行為は避けましょう。形・色・大きさなどが変化した場合は、皮膚科を受診してください。
12.陰茎がん:包茎や包皮の慢性的な炎症
陰茎がんの原因は完全には明らかになっていませんが、包茎、包皮垢の蓄積、慢性的な炎症などとの関連が指摘されています。
包皮周辺を清潔に保ち、炎症や異常が続く場合は、泌尿器科を受診しましょう。
翻訳にあたっての注意
この記事が伝えたいのは、これらの状態が「必ずがんになる」ということではなく、異常を放置せず、必要な検査や経過観察を受けることが大切だという点です。
原文は2016年6月29日に掲載されたもので、「前がん病変」「初期症状」「危険因子」にあたる内容が一緒に紹介されています。現在の検診方法や対象年齢とは異なる可能性があるため、具体的な検査時期については、日本の医療機関にご相談ください。
※本記事は、北京振国中西医結合腫瘍医院が2016年6月29日に掲載した記事(原文はこちら)を参考に翻訳・編集したものです。版権所有 © 振国医療集団/記載の情報は参考用であり、診断および医療の根拠とすることはできません。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
ご検討の第一歩として、ぜひご利用ください。
▼この記事の監修者
安斎 昭
- 一般社団法人 漢方ドットコム 代表
- 国際癌病康復協会 日本支部代表
- 医療ジャーナリスト
医療ジャーナリストとして20年以上活動し、がん治療と漢方医学に精通。王振国医師のがん撲滅活動に共感し、日本支部の立ち上げ時から参画してきた。現在は一般社団法人漢方ドットコムの代表として、がん経験者や漢方治療に関心のある人に向け、全国で勉強会・セミナーを開催し、中医学・漢方に関する情報をWEBなどで発信している。