喀血(かっけつ)とは? ―吐血との違いと、考えられる原因―

王振国医師の中医学による内科診療・健康解説
血を吐いたとき、その血がどこから出ているのかによって、疑われる病気は大きく異なります。ここでは、原文をもとに、喀血(かっけつ)の見分け方と注意点をわかりやすく整理します。
喀血と吐血の違い
喉がむずむずした後に咳が出て、泡や痰の混じった鮮やかな赤い血を吐き出す場合を「喀血」といいます。喀血した後、数日間にわたって血の混じった痰が出ることもあります。
一方、胃の不快感や吐き気に続いて、食べ物の混じった暗赤色またはコーヒーかすのような血を吐く場合は「吐血」です。吐血した血は固まりやすく、その後、数日間にわたって黒い便が出ることがあります。
喀血と吐血では、出血している場所や原因が異なるため、正しく見分けることが診断と治療において重要です。
中高年で喀血がみられる場合
長年の喫煙歴がある中高年の方に、少量の喀血や血の混じった痰が繰り返しみられ、さらに次のような症状がある場合は、肺がんなどの病気が疑われます。
- 全身のだるさ
- 食欲の低下
- 明らかな体重減少
ただし、これらの症状だけで肺がんと決まるわけではありません。早めに医療機関で検査を受けることが大切です。
若い人や働き盛りの人にみられる喀血
喀血の原因として、次のような病気が考えられます。
肺結核
激しく咳き込んだ後に鮮血が出ることがあります。出血量は、傷ついた血管の状態によって異なります。また、次のような症状を伴うことがあります。
- 疲れやすい
- 食欲がない
- 体重が減る
- 午後から夜にかけて熱が出る
- 寝汗をかく
- 動悸や脈の速さを感じる
- 両頬が赤くなる
気管支拡張症
長期間、咳や痰が続いている人にみられることがあります。特に朝起きたときや横になった後に咳が強くなり、痰が増えるのが特徴です。
感染を起こすと、発熱や喀血がみられることがあります。通常は少量の出血ですが、太い血管が傷つくと大量出血を起こす場合があります。
肺炎
喀血とともに高熱や胸の痛みがあり、さび色の痰が出る場合は、肺炎の可能性があります。また、赤いゼリー状の痰が出るタイプの肺炎もあります。
じん肺(珪肺)
仕事などで長期間粉じんを吸い込んできた人に、喀血、咳、息苦しさ、胸の痛みなどがみられる場合は、じん肺の可能性があります。じん肺は職業性の病気です。
子どもや若年者に大量の喀血がみられる場合
幼い頃から大量の喀血を繰り返し、頬や唇が青紫色になり、特に体を動かした後に症状が強くなる場合は、先天性の心臓病やリウマチ性の僧帽弁狭窄症などが考えられます。
喀血は、量が少なくても注意が必要です
喀血では、血液が気道に入り込んで空気の通り道をふさぎ、呼吸ができなくなる危険があります。出血量が少なくても、血をうまく吐き出せない場合には窒息につながることがあります。
喀血がみられたときは自己判断で様子を見ず、早めに医療機関を受診してください。特に、出血が多い、息苦しい、胸が痛い、意識がぼんやりするなどの症状がある場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
ご注意 この記事は2016年掲載の一般的な健康情報です。症状だけで病気を判断することはできません。血を吐いた、息苦しい、胸が痛いなどの症状がある場合は、自己判断せず、早めに医療機関を受診してください。
※本記事は、北京振国医院「中医王振国—内科診療:喀血」(原文はこちら)を参考に翻訳・編集したものです。版権所有 © 振国医療集団/記載の情報は参考用であり、診断および医療の根拠とすることはできません。受診の際は医師の指示に従ってください。
ご検討の第一歩として、ぜひご利用ください。
▼この記事の監修者
安斎 昭
- 一般社団法人 漢方ドットコム 代表
- 国際癌病康復協会 日本支部代表
- 医療ジャーナリスト
医療ジャーナリストとして20年以上活動し、がん治療と漢方医学に精通。王振国医師のがん撲滅活動に共感し、日本支部の立ち上げ時から参画してきた。現在は一般社団法人漢方ドットコムの代表として、がん経験者や漢方治療に関心のある人に向け、全国で勉強会・セミナーを開催し、中医学・漢方に関する情報をWEBなどで発信している。