「乳がんからの転移ですね。第五腰椎にがんが見られます。転移は治らない」 信頼するセカンドオピニオンの医師に暗い表情で告げられた２年前、私は始めて絶望感を味わった。11年前の右乳房全摘手術の後は、“再発予防は自分しかない”と思い定め、玄米菜食を通してにこにこと感謝の日々を過ごしてきた。

「がんの治療法は確立していない。森下さん、いいと思うものは何でもなさい」 親しくなった婦長さんの言葉をいただき、友人知人が差し出してくれるもの、例えばプロポリスなど全てこころみた。全身温熱療法という厳しいものまで試した。最後に残したのが、玄米菜食と「抗がん漢方」。

「転移という現実！治らない。」－これほど病者を打ちのめす言葉はない。思い出すのは１１年前。リンパへ移っていると知って泣いた事。嫌なイメージが湧く。親族が見つけてくれる病院、療法もただ聞くだけで疲れ果てた。

ホルモン治療法とゾメタの点滴が始まっていたが、「抗がん漢方」を1日6本飲み出す。マーカーが面白いほど下がり、気力が出る。2年後の今は３本にしているが、仕事もして元気一杯の私を見て、誰もが「病気に見えない。そして、若い！」と言ってくれます。